X870E・X870・X670E・X670の違いについて、表にしてみました。以下をご覧ください。なお、X870E・X670EのEは「Extreme」の略で、無印より高スペックであることを示しています。
X870E |
X870 |
X670E |
X670 |
|
対応CPU |
AMD Ryzen 9000/8000/7000 |
AMD Ryzen 9000/8000/7000 |
AMD Ryzen 9000/8000/7000 |
AMD Ryzen 9000/8000/7000 |
PCIe5.0レーン数(最大) |
24 |
24 |
24 |
8 |
PCIe4.0レーン数(最大) |
12 |
8 |
12 |
28 |
PCIe3.0レーン数(最大) |
8 |
4 |
8 |
8 |
USB4 |
標準搭載 |
標準搭載 |
オプション |
オプション |
USB 20Gbps(最大) |
2 |
1 |
2 |
2 |
USB 10Gbps(最大) |
12 |
6 |
12 |
12 |
USB 5Gbps(最大) |
2 |
1 |
2 |
2 |
SATA |
8 |
4 |
8 |
8 |
X870E・X870とX670E・X670の主な違いのひとつは、USB4に標準対応しているかどうかでしょう。X670E・X670では、USB4の搭載は「オプション」となっていました。オプションとは選択可能という意味で、マザーボードメーカーがチップを追加搭載することによって、USB4に対応できるということです。つまり、X670E・X670チップセット搭載マザーボードには、USB4に対応しているものとそうでないものが混在していました。しかし、X870E・X870チップセット搭載マザーボードであれば、全モデルがUSB4に対応しています。
↑ギガバイトのX870Eチップセット搭載マザーボード・X870E AORUS PROのバックパネル。写真下部に、USB4ポートが2つ並んでいるのが見えます
X670EとX670では、PCIe5.0レーン数に差があり、そこがEと無印の差別化ポイントになっていました。具体的には、X670のPCIe5.0最大レーン数は8で、NVMeこそPCIe5.0に対応しているものの、グラフィックスはPCIe4.0にとどまっていました。一方のX670Eは、PCIe5.0の最大レーン数が24となっており、NVMeもグラフィックスもPCIe5.0となっています。
X870EとX870では、両チップセットとも、PCIe5.0最大レーン数が24となりました。X870は、PCIe4.0と3.0のレーン数が、X870Eより4つずつ少なくなっていますが、従来と比べてEと無印の差は縮まったといえるでしょう。一方で、X870EとX870では、USBやSATAの数が大きく異なっています。
USB20Gbps、10Gbps、5Gbpsの最大搭載数を見てみると、X870Eはそれぞれ2、12、2となっているのに対し、X870は1、6、1。また、SATAの最大搭載数も、X870Eは8なのに対し、X870は半数の4にとどまっています。X670E・X670ともに、USB4を除けばX870Eと同数のUSB・SATAを備えているため、これはX870の弱点。X870EとX870の差は、USB・SATAを中心とした、拡張性の大きさにあるといえます。
ちなみに、USB・SATAの数でみると、X870はX670E・X670を下回っています。また、PCIeレーン数の合計で比べた場合でも、X870は、X670E、X670より少なくなっています。つまり、X870はX670の純粋な上位互換とは言えないのです。
ここまででお分かりのように、これら4つのチップセットの差は特別大きいものではありません。最新世代が出たからといって、X670E・X670がすぐに陳腐化するわけでははなく、選択肢が増えたと捉えるのが正しい見方でしょう。
では、これらをどう選ぶのか。選び方のポイントは、「USB4は必要か」「グラフィックスがPCIe5.0対応か」「拡張性」の3点。以下が、簡単な選び方の基準です。
筆者個人の視点でいうと、X870Eはとにかくハイエンドを追求したい方向けのチップセットだと考えています。そもそも、X670Eチップセット搭載マザーボードであっても、USB4に対応した機種であれば、X870Eとほぼ同等と見ることができます。Wi-Fi 7への対応可否など、そういった細かいポイントもチェックする必要こそありますが、X670世代もまだまだ現役です。
記事の最後に、ギガバイトが発売しているX870Eチップセット搭載マザーボードを1機種紹介します。X870E搭載機種のなかでもハイエンドモデルに位置する、X870E AORUS MASTERです。
本機は、16+2+2の安定感のある電源構成と、高い放熱性能で、PCのスペックを最大限に引き出します。オーバークロック時最大8600MT/sの速さを誇るDDR5メモリのスロット付近には専用のファンを配置し、従来機と比べて-10度の冷却に成功。VRMヒートシンクは、一般的なものと比べて表面積が10倍の構造を採用し、放熱性能を向上させています。各パーツに安定的に電気を供給しつつ、内部の熱をしっかり逃すことで、ハイエンドPCの性能を下支えしてくれる一台です。
↑DDR5メモリを冷却するための、DDR Wind Blade
通信は、5GbE有線LANまたはWi-Fi 7に対応。40Gbpsの高速伝送に対応したUSB4ポートを2つ備えており、このポートは、UHD画質・240Hzでの映像出力にも対応しています。
↑背面パネル。USB4ポート2つの他にも、豊富な接続端子を装備しています
せっかくX870Eチップセット搭載マザーボードを買うのなら、スペックには妥協せず、ハイエンドモデルを選びたいところ。X870E AORUS MASTERは、そんなあなたのニーズにしっかり応えてくれます。
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